女子大学生の一人暮らし。誰に頼んだらよいのかわからず、初めて便利屋にお仕事を依頼したときのお話です。

大学進学をきっかけに田舎を出て、福岡で一人暮らしをしていました。賃金の安さに魅かれ、マンションの1階に部屋を借りました。初めての一人暮らし、女の子が1階に住むとなると、親は当然心配しました。ベランダに柵はなく、下段の木が生い茂っているだけで防犯性はあまりありませんでした。そこで、原状回復を条件にベランダにフェンスを設置する許可を大家さんにもらい、地面に穴をあけてネジでフェンスを固定することにしました。この作業は親と一緒にDIYで行いました。

実際に住んでみると、平和な町ということもあって防犯面での心配はあまりなくなりました。しかし、ベランダのすぐそばで木が生い茂っていることもあり、虫がわんさか出てしまうので、ベランダを使用することはなくなりました。ベランダに洗濯物を干してしまうと、干している間に虫に刺されたり、取り込む際に洗濯物に虫がひっつき、虫が室内に入ってしまうのです。私は虫が大の苦手なので、設置したフェンスには蜘蛛の巣や虫がたくさんついてしまっておりました。もう、完全に無法地帯でした。

大学の卒業が決まり、部屋の引越しが決まりましたが、そこでひとつ問題が起きました。ベランダに設置したフェンスの撤去です。4年近く放置したベランダの柵には立派な蜘蛛の巣や枯葉がわんさかこんもりとしており、確実に大量の虫がいる状態でした。通っていた大学が女子大だったこともあり、頼れる男性が身近にいませんでした。

そこで、ふと思い出したのが、いつの日かポスティングされていた便利屋のチラシでした。「なんでもやります！」という文字が大きく書かれたチラシには、不用品回収や送迎、庭の手入れ等の実績例が書かれていましたが、フェンスの撤去作業は特殊な案件だと思い、頼んでもよいのだろうかと少し悩みました。しかし、他に頼むアテもなく、電話で聞いてみることにしました。「賃貸マンションに自分で設置したフェンスの撤去作業、処分、ネジ穴のコンクリート埋め作業、ベランダの清掃を依頼することはできますか？」と聞いたところ、すぐに「はい、大丈夫です。承ります。」と気持ちの良い返事をくれました。一刻も早く作業をしてほしかったので、値段の詳細等はあまり気にせずにそのまま便利屋にお願いする形となりました。

作業当日、便利屋さんが工具類を持ってきて若い男性が一人やってきました。思ったよりも荒れたベランダに驚いていた様子でしたが、2時間ほどでできそうですと言い、すぐに取り掛かってくれました。なかなかフェンスの撤去をすることなんてないだろうに、テキパキと作業をこなしてくれて、本当に2時間弱で作業が完了しました。見違えるようにきれいですっきりとしたベランダに驚きました。もう、二度とマンションの1階には住まないし、植栽には気を付けよう！と誓ったのもこの経験からです。

フェンスの撤去作業、処分、ネジ穴のコンクリート埋め作業、ベランダの清掃作業全ての依頼金額は合計で10,000円ほどだったと思います。正直、この金額が高いか安いかは例がないのでわかりませんが、個人的には、「10,000円で事が片付いた！」とハッピーな気持ちでした。対応も素晴らしかったこと、他に頼る人もおらず、本当に助かったので、便利屋に依頼してよかったなと思いました。

便利屋に対するイメージは大学生にはなかなか近寄りがたいものがありましたが、この経験以来、「なんでも頼っていい街のお世話屋さん」というった身近に感じられるものとなりました。田舎から出てき学生などは、周りに頼る人がいない環境の人が多いと思うので、そんな学生にももっと気軽に、身近に感じてほしいなと思いました。